Please translate in ja: Poetry Translation

pic22024年秋までの4年間、オレゴン翻訳通訳連盟(OSTI)のディレクターを務めてきました。OSTIの主催する「平和の詩」( “A Proclamation for Peace” )翻訳プロジェクトでオレゴンの詩人キム・スタッフォード氏の作品の日本語訳を手掛けてみました。原作の気持ちをまっすぐに伝えることがなかなかできずもどかしく、本の出版後も日本語のことばと原作のことばを比べながら、こんな詩を訳すに至っています。日本語は50以上の言語のうちのほんの一つにすぎません。この翻訳プロジェクトはオレゴン公共放送OPBのラジオ番組でも取り上げられています。

A Proclamation for Peace

by Kim Stafford
Whereas the world is a house on fire;
Whereas the nations are filled with shouting;
Whereas hope seems small, sometimes
a single bird on a wire
left by migration behind.
Whereas kindness is seldom in the news
and peace an abstraction
while war is real;
Whereas words are all I have;
Whereas my life is short;
Whereas I am afraid;
Whereas I am free—despite all
fire and anger and fear;
Be it therefore resolved a song
shall be my calling—a song
not yet made shall be vocation
and peaceful words the work
of my remaining days.
(英語朗読キム・スタッフォード)

平和のことば

キム・スタッフォード作
めらめらと世の中が燃えている
国々が叫びあっている
明日の夢はぽつねんと
一羽はぐれて電線に
群れははるかに飛び去って。
ニュースも心を見失い
「平和」がわからなくなって
実感するのはいさかいばかり。
それでも宿る、この身の魂。
余命はかれこれ見えてきた
不安だ、
けどまだ自由。
炎の怒りの怖えにふるえる
ぼくの言葉がひさかたの
詩(うた)になるならしてみたい。
まだこれからの、その言葉
和やかなうつせみの世を語る
あしたのうたになればいい。

(日本語朗読)