翻訳の心得

本来の意図を汲む

ata-gettingitright

以下はATA の手引き書Translation: Getting it right からの引用です。
邦訳版はJTFサイトにもあります。)

pic2 忠実な翻訳とは、本来の意図を伝える翻訳のことです。例えば ‘it was raining cats and dogs’ という英文は「どしゃ降りの雨だった」などとなります。単に逐語で「猫や犬のように」と訳しても内容を忠実に伝えたことにはなりません。

原文の意図を汲むためには以下の素養が求められます。

  • 読み手に伝わるように書ける文章力
  • 該当分野の最新知識、及び両言語における語彙力
  • 関連情報や詳細情報を調べるためのツールやリソース
  • こうした知識や技能を継続的に磨きながらその向上努力 

 

翻訳を引き受ける者の心得とは

ATA の公表する翻訳倫理を以下に訳します。ごく普通の内容です。
 ここに示す内容は、現場の実例にもとづく共通の所見を掘り下げながらまとめたものです。
今後の行動指針として、その実践を通じてご自身の翻訳業務活動の影響や相互的作用、さらに業界への波紋などを深く理解する手がかりとなることを願っています。 

アメリカ翻訳協会(American Translators Association)の会員は、
以下のことがらをプロの義務と心得ます。

  1. 人から人、文化から文化に伝えるべきもの、すなわち本来意図されている内容を忠実に、正確に、中立的に伝えます。
  2. 業務上の秘匿義務はかたく守ります。
  3. 能力や資格、職務権限に偽りや逸脱のないよう、言動をわきまえます。
  4. 翻訳者としての技能を伸ばすため、言語力と分野知識の向上に努め、プロとしての行動を心がけます。
  5. これまでに得た知識や体験はすすんで分かち合います。
  6. 同業者や取引先との取り決めには前もって同意を得るようにし、約束は守ります。
  7. よいもののよさをお互いに認め合い、内容に相応の報酬を求めます。
  8. 翻訳業務過程で生じた業務上の争点解決には前向きに対応します。

上記を遵守することは、同業者や取引先のためばかりでなく、翻訳者自身のためにもなるのです。